2013年6月4日火曜日

もう直ぐ香港に滞在して丸4年。来た当初は、周りに若手の日本人ビジネスマンはあまり多くなかったものの、今では自分の年齢が少し上がったこともあり、自分と同年代の若手が沢山いる。

今後、日本企業の更なる海外進出や外資系企業の東京からの拠点移動と共に、個人でも成長している市場や税率の低さ、国際性等を求めて、香港での就職・転職活動を行う人が増えると思う。そこで、一つの参考までに、自身の経験や香港の友人から聞いた話を元に、日本人が香港で就職・転職しているケースを以下に纏めてみることとする。(注:筆者は金融出身で、金融業界に関する情報を多く入手しており、その点バイアスがかかっていることにご留意下さい。)






先ず、日本人が香港で働いているケースを大別してみよう。僕の感覚では上から順に人数が多い。


・日系メーカー・商社他の駐在
・日系・外資系金融会社の駐在
・日系金融会社・メーカー・商社他の現地採用
・外資系・地場系金融会社の現地採用

一番多いのが、日系メーカーや商社他の駐在で、このカテゴリーには結構な人がいる。


次が、日系・外資系金融会社の駐在。銀行・証券・資産運用会社含め、相応の数の人がここに入ると思う。以前の僕はこの中に当てはまる。 


今回の本題は、以降のカテゴリーについてだ。


先ず、日系金融会社・メーカー・商社他の現地採用。このカテゴリーになると、一気に数が減ると思う。理由は、現地採用は駐在よりも給料や住宅等待遇が悪いから。最近外資系金融の駐在から日系金融の現地採用に転職した友人Aは、給料が半分になったと嘆いていた。

これだけ如実に差が出ると、それ以外の「これが自分のやりたい仕事だ」というモチベーションや、「香港が好き」という気持ちがないと、なかなか踏み切れないだろう。ちなみにその友人は、「仕事が楽しい」「香港も楽しい」と言っており、以前よりもいきいきとして働いている。 

最後が外資系・地場系金融会社の現地採用。このカテゴリーも数は少ないものの、何人かそういう人はいる。ただし、その殆どが外資系投資銀行の日本株セールス、又はヘッジファンドの日本株担当。他の職については、中国語と英語を完璧に話す香港人や中国人が競合になるため、日本人をわざわざ雇う理由が雇用主側にない。


最近、某外資PEに転職した友人もいるが、こういうケースは極めて稀だ。僕が知っている限り、外資系投資銀行のプライマリーサイドで働く日本人は駐在以外知らない。PEについても、上記友人、某外資PEの東京オフィスからの派遣位しか見当たらない。

 
総合すると、香港で駐在以外として働く場合は、日本株のセールスかヘッジファンドの日本株担当に働き口がそれなりにあると思う。この場合、東京で先ず経験を積み、転職するのが一般的かもしれない。

但し、上述したように、自分の努力と能力によって、他の機会を得ることも十分可能だと思う。日本から飛び出し海外で働くことは賛否両論あるが、僕は、その選択が当人のしたいことであれば周りが何と言おうとそれが良いのだと思う。加えて、長期的な視点で日本のためになる、つまり海外で蓄積した経験やノウハウが日本に還元されるのならば、更に良いと思っている。

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