2014年9月22日月曜日

夏が過ぎ去り、すっかり秋模様のNY。最低気温が突然13度になったり最高気温が30度付近まで上がったりと、安定していないが、おそらくもう秋に入ったのだろう。ここから寒くなるスピードが早いので、同期や他校の友人と近い内にゴルフをしようと話が盛り上がっている。


さて、先週著名ベンチャーキャピタリストのPeter Thielの講演へ足を運んだ。Peter Thielと言えばPaypalの共同設立者、Facebookの初期投資家、Founders Fundの設立者であり、米国のトップキャピタリストだ。映画「The Social Network」にも投資家として登場している人物である。その夜は授業があったのだが、Peter Thielの話を聞く方が貴重と即決し、授業をサボることとした笑。

今回はMBAではなくコロンビア大学全体向けのイベントへの登壇だ。新著「Zero to One」の発売にあわせて、そのプロモーションも兼ねてやってきたのだ。会場は学部生からMBA生まで、満員だった。実は今回はチケットが無料でなく10ドルしたのだが、安いものだ。


以下、メモがてら印象に残った点を記述する。一部内容はZero to Oneにも書かれている。僕はその場で本を買えばサインをもらえたものの、持ち運びやすさ等を重視し結局Kindleで購入した。読みやすいし面白いので、お勧めである。


・私はStanford Law Schoolを卒業した後、NYへ来て弁護士事務所や投資銀行で働いた。だが、そこでこれが本当に自分のやりたいことなのか強く疑問を持った。そして、これらの職を選んだのは、自分がやりたかったからではなく、周りの人が自分に望んでいるからだと気付いた。
・そしてシリコンバレーに戻り、会社を立ち上げ、PaypalやFacebookへの投資等を経て今に至る。

・寡占は成功の条件である。スタートアップは寡占状態を作り出すことが重要だ。例えばGoogleは検索分野等において寡占状態を作り、莫大な利益を生み出している。一方、NYのレストラン等は厳しい競争下に置かれており、多くが成功していない。
・何もスタートアップに、「大きな市場を最初から寡占しろ。」と言っているのではない。小さな市場から始めてそれを広めていけば良いのだ。
・Facebookも始めはHarvardの学生という小さなマーケットから始まったように。

・皆が信じていることが真実だとは限らない
・通念("Convention")とミステリーの間に解決すべき問題は眠っている。
・人は世の中の全ての問題や謎は解決されたと思っているが、全くそんなことはない。同僚のElon Muskが設立し、私も投資しているSpace Xが良い例だ。

・GlobalizationとTechnologyが世界の発展に寄与しているが、これらは別軸として考える必要がある。
・先進国にいる人間は、世界の成長は先進国で広まったテクノロジーを後進国へ広めることで成し遂げられると考えがちだ。だが、我々は「先進国を更に発展させるにはどうすれば良いのか」を考えるべきだ。

・最高の投資というのは、誰も投資していない素晴らしい会社へ投資することだ。

・何故他の投資家が初期のFacebookへ投資しなかったのかと考えると、おそらくその理由の一つは、当時大学生によるスタートアップで大学生を対象にしたビジネスの可能性を過小評価していたことが挙げられるのかもしれない。

・Paypalのチームは、皆友人・仲間だった。新たに人を採用する時も、この人と友人になれるかが一つの基準だった。
・何故なら、スタートアップの多くは競合との競争に負けて失敗するのではなく、チーム内で軋轢が生まれて失敗するケースが圧倒的に多いからだ。

・私は人々の生活・行動を変えるようなテクノロジーに興味があり、それは既存の20-30%を改善するものではなく、10倍改善するようなテクノロジーなのだ。


Peter Thielは質問に対して思慮深く、慎重に言葉を選びながら答えていたのが印象的で、知性を感じさせる人物だった。投資決定にも影響しているだろう自身の哲学みたいなものにも触れることが出来、勉強になった。

MBAでは、ビジネスを行うに当ってのそもそものビジョンや大志について議論するのではなく、とかく小手先のテクニック論に走りがちだ。今回の講演は、そうではなく、一歩ステップバックして、「そもそも貴方はどういう世の中になることを願っていて、その実現のために何をしたいのですか?」という大事な質問を自分に投げかけてくれたと思う。そういう意味で有意義であった。


実は、今晩はメンターが招待してくれたチャリティー・ディナーへ参加し、明日はコロンビアへ来る安倍首相の講演へ足を運ぶ。ディナーには各国の首相クラスの人物が複数出席するので、とても楽しみだ。その様子や学びについては、後ほど投稿できればと思う。




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