2014年2月15日土曜日

昨日のニューヨークは吹雪。朝起きて外を見ると、雪が風の影響で真横に降っていた。。。吹雪が酷かった午前中は授業があったのだが、それがおさまった午後の授業が何故か休講に。一週間パンパンのスケジュールで身体が疲れていたので、それはそれで良かったのだが、「だったら朝から休講にしてくれ〜。」と友人達と呟いていた。


さて、今学期受講している授業の一つ、Introduction to Venturingが面白い。カナダ出身の起業家であるMurray Low教授が教える授業で、起業にまつわるケース・ディスカッションが2/3、残りの時間がチームでビジネスプランを作り込んでいくものだ。

前回の授業で取り扱ったのは、約25年前に書かれたHBSのケース。MBA卒業後、数年間文房具会社で過ごした主人公が、ボードゲーム会社を立ち上げ、有名TV番組のブランドを使う契約を勝ち取り、成功した話であった。

とても古いケースで、テクノロジーが主流になりつつある昨今の起業環境とは大きく異なるが、様々な学びが散りばめられたケースで、Low教授もそう述べていた。


重要だった学びの一つは、固定費を変動費に変えるというもの。このケースの場合、ボードゲームを作るために、サプライヤーやボードのデザイナー、TV会社に支払う初期投資費用を最低限に抑える仕組みを作っていた。具体的には、売上高に応じたロイヤルティフィーを支払う仕組みを用いることで、創業期の財務的なリスクを最小限にしていた。

当時普及していない、画期的なビジネスモデルであったようだ。

イノベーションと聞くと、思わずテクノロジーを想像してしまうのは僕だけだろうか。このケースは、イノベーションとは何も最新のテクノロジーだけではなく、ビジネスモデル自体も含め、様々な状況で起こすことが可能であると教えてくれた。

他にも、自分の能力・経験・ネットワークを生かし、自分にしか出来ないビジネスを考えること。ステークホルダー全員にベネフィットとなるビジネスモデルを構築すること等々、単純ではあるが大事な学びを得た。後者の点は、僕がファンドで働いている際、メンターである会長から教わったものでもあり、その大切さを改めて認識できた。


そして、ケースの議論を終えた後、教授が自身で過去に行った、起業家に関する研究結果をシェアしてくれた。

先ず、教授が「起業家として重要な特性は何か?」と学生に意見を求めた。

「前向きであること。」
「逆境に強いこと。」
「創造的であること。」

等々様々な意見が出る。僕は「粘り強いこと。」と答えた。その後、教授が研究結果を述べる。それは、

「多くの起業家の特性を研究したが、特にこの特性が必要不可欠というものは見つからなかった。」というもの。

巷でよく言われている幾つかの特性が挙げられると予測していた僕は、少し驚いた。


そして、最後に教授が一言。

「先ほど述べた通り、成功する起業家に、必要不可欠なこれと言った特性は無い。一方、自分のユニークな特性を理解し、それを存分に生かして前に進んでいくことが大事だ。」

「君たちには、この授業を通して、先ず自分自身のことをより良く知ってもらいたい。そして、将来、一人でも起業し成功する人が出てくれたら、それは望外の喜びだ。」と。


この授業では、ビジネスプランを優秀なチームと前に進められることに加え、こうしてLow教授から色々な学びを得られそうで楽しみだ。面白い学びがあった際は、今後随時投稿していきればと思う。

雪に埋もれる車。車の持ち主は、この冬雪かきに相当な時間を注いでいるに違いない。。。

学校前の通り。歩くのも一苦労だ。

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