2014年3月5日水曜日

今日の夕方午後6時半。一人の著名なベンチャーキャピタリストの講演を聞きに行った。彼の名はBen Horowitz。そう、現在米国、いや世界で最も注目されているベンチャーキャピタル Andreessen Horowitzの共同ファウンダーだ。

Benの講演について書く前に、Andreessen Horowitzについて、簡単に説明しておこう。

このVCは2009年に設立された新しいファンドで、既に2,700億円程度のファンドを運用している。投資先には、Facebook・Twitter・Instagram・Skype・Groupon・Airbnb・Zynga・Pinterest・Foursquare等、日本でも知名度がある会社が含まれる。ベンチャーキャピタル業界で彗星の如く出てきたファンドで、今やNo.1のファンドとしてその名を轟かせている。

そして、そのファウンダーの一人であるBen Horowitzが、ここコロンビアで、自身の本である「The hard thing about hard thing」の発売記念に講演に来てくれたのだ。ちなみに講演後、本を購入すると彼のサインがもらえたのだが、辞めておいた。Kindle版で買いたかったからだ(笑)。

実は6時から別件ミーティングがあったのだが、メンバーに事情を説明し、急遽講演を聞きに行かせてもらうことにした。最重要投資家の一人である彼の講演を、是非生で聞きたかったのだ。


Benはコロンビアのコンピュータ・サイエンスの学部出身で、現在ColumbiaのTrusteeを務めている。彼の話は、起業やベンチャーキャピタル関連、自身も起業家であることを元にしたリーダーリップ関連、そして社会貢献事業についてのものだった。

以下、自分が大事だと思った内容を共有する。


起業・ベンチャーキャピタル関連

・私が成功できたのは、決して途中で辞めなかったからだ。「You have to stay in.

・成長への決意も必要だ。新しいことに挑戦しているのであれば、事業がつぶれてしまう前に解決方法が必ず見つかると信じ切ることだ。

・イノベーションは常に悪いアイデアのように見える。何故なら、良いアイデアと思われるのであれば、誰かが既に実行しているからだ。周りの人の大半が、貴方を馬鹿にして笑い飛ばすだろう。それが上手くいかない400個の理由を挙げて。

・大企業ではイノベーションは起こらない。何故なら、組織が、悪いアイデアが排除されるようなヒエラルキー構造になっているからだ。だから、我々はスタートアップに投資する。

・Andreessen Horowitzが他のVCと異なる点は、我々が人を何より大事にすることだ。我々のVC社内、そしてポートフォリオ会社、何れの人も大事にする。彼らの視点で物事を考えようと最前の努力をする。

・私のベンチャーキャピタリストとしての仕事は、起業家に対して「You are not alone.」ということを分かってもらうことだ。

・我々が投資家としてスタートアップを見るポイントは3つだ。先ずはチーム。そして、チームがどうやって協力して働いているか。最後に、手元にあるお金でそれまで何を成し遂げたかだ。

・「現在Techバブルの状態なのか?」と聞かれることがある。それは違うと思う。何故なら、バブルとは皆がバブルだと信じていないからこそ、バブルだからだ。具体的な理由を述べると、以前のドットコムバブルとは、テックの市場規模が格段に違うし、テック関連企業のビジネスのやり方も全く異なっている。

・ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグは大学を中退して成功したが、私は皆さんにそれをお勧めしない。何故なら、彼らは大学中退をしたから成功したのではなく、成功を確信するようなビジネスアイデアを持っていて、それを実行するために中退したからだ。


リーダーシップ関連
・私がこの本で書いたリーダーシップやその強さは、「周りの人は全て反対だが、自分だけそれが正しいと信じている。」という状況におけるものだ。そのコンフリクトが起きた時に、それをそのままにするのは最悪だ。周りと衝突しながらも、前に進む必要がある。それこそがリーダーシップだ。

・例として、私が遭遇した経験を話そう。私はLoudCloudという会社を設立し、この会社は上場した。だが、その後、このままだと会社が潰れることに気付いた。上場しているのに、だ。そして、会社を存続させるには、それまでの主要ビジネスとその顧客を売却し、ソフトウェア会社に変わることが必要だった。

・この考えに賛同する取締役はいなかった。皆が私のことを「Are you out of your mind?(気が狂っているのか?)」と思っていた。だが、そうしないと倒産してしまうので、私はこの案件を実行した。すると、元々あった時価総額480億円が、28億円まで落ちた。

・しかしその5年後、我々は会社をHPに対して、1,600億円で売却した。私の考えが正しかったのだ。


社会貢献関連
・私は今、幾つかのチャリティ事業に参加している。自分自身がとても恵まれた環境にいることを知ったからだ。

・恵まれない環境にいても、社会的に意義のある事業を興す起業家の援助もしているが、彼らからは逆にインスピレーションをもらっている。


Benは、ウィットに富んだジョークを混ぜながら一つ一つのストーリーを丁寧に語る人であった。話は色々な題目に及んだが、僕は起業家としてのリーダーシップのあり方と、決意の重要性について彼から学んだ気がする。

こうした大成功している投資家がコロンビア出身と聞き、少し親近感が湧いたと同時に、新たに一歩を踏み出したいと思っている僕にとっては、背中を押してくれるような講演だった。

小さくて見えにくいが、一番右に座っているのがBenだ。

今回はビジネススクールのイベントではなく、大学全体のイベントだった。Low Libraryという歴史のある大きなホールで行われた。


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