2015年3月26日木曜日

日曜日の深夜にインド訪問を終え、NYへ帰ってきた。温かく快適だったインドとは異なり、NYはまだ肌寒い。夜はコートにマフラーが手放せない天気だ。本格的な春の到来はもう少し先になりそうだ。


今回は、3月半ばに1週間ある春休みを利用して、インドを訪問した。これまでの幾つかの旅行とは異なり、今回は3単位の取得が出来る授業のための訪問だ。そして授業名は「Leading Others from Inside Out」。つまりLeadershipを対象にした授業だ。

これまでのMBAでの授業は、知的好奇心を満たし且つ実践的な学びが多くあったものの、ある意味僕が最も期待していた"リーダーシップ"にフォーカスを当てたものではなかった。

1年目の最初に1週間の集中講義として受講した"Leadership"の授業は、僕が想定していたLeadershipとは程遠い、心理学の観点から小手先のテクニックを学ぶ程度のものであった。(関心度が低かったせいもあり、成績はP、つまりFailの一歩手前の最低ランクのものだった笑)


そんな中で、今回のLeadershipの授業は、定評のあるインド人教授が教えるもので、期待値は高かった。教授はYaleでPhDを受講した後、Mckinsey、シリコンバレーにて起業→売却、コロンビアで教授という経歴の持ち主。現在はリーダーシップを対象に外部機関と協力しながら研究を進める一方、リーダーシップに関する授業を受け持っている。


インドでの朝から晩までの1週間の授業では、主に4つのモジュールが提供された。今回の投稿では最初の2モジュールについて記述することとする。


先ずは教授による講義。事前に配布された分厚いバインダーにファイリングされた、独自の題材を元にしたものだ。内容は広範囲に及ぶが、例えばガンジーやチャーチルといった歴代の名リーダーからの学び、そして外部協力機関から提供されたリーダーとしてのテクニック、持つべきマインドセット等がカバーされている。

全てが全て役立つわけではないが、幾つかのテクニックやマインドセットは現在の自分に非常に役立つもので、自分の会社経営や日々の友人等との接点で直ぐに応用できるものであった。


2つ目はコーチング・セッション。これはコロンビア生がコーチとなり、インドの社会人にアドバイスをするものだ。相手側は、教授のMck時代の同僚で、現在500名程度の人員を抱えるグローバル企業のインド支社従業員であった。

僕が担当したのは、Mohitという僕と同年齢の青年だ。彼は既に50名程度のチームを率いており、自分よりもリーダーシップ経験が豊富だ。学生時代にはテコンドーでインド国内3位の実績を持つ努力家で、賢い。そんな彼に、僕がどんなアドバイスを提供できるのか、頭を捻りながらのコーチングとなった。

授業で習ったテクニックやマインドセットを念頭に、僕は一先ず彼に様々な質問をし、彼が直面している問題/状況をなるべく理解することに徹した。そこで分かったのは、彼が統括しているチームは、昨年別チームを吸収して拡大していて、新たに加わったメンバーとの関係が良くないことであった。

問題が分かったところで直ぐに自分の意見をぶつけようと思ったのだが、自分で意見を述べるよりも、彼に自分で考えてもらい、僕の考えに結びつくように質問をしながら誘導することにした。これまでの短いリーダーとしての経験から、自分で答えを探す方がモチベーションが湧くし、学びが大きいと考えているからだ。

僕が彼に気付いてもらったのは2点で、

「新たなメンバーに指示をする以前に、先ずは人と人の関係"Foundation"作りを心がけること。Foundationがあれば、仕事がスムーズに進む」そして

「Mtgの際、真剣になるのは良いが、特に導入時はジョークやユーモアを交えること。こうすることで、その後の面談内容をより効果的に伝達できる」ことだ。

これが正しいアドバイスだったかは分からないが、彼は納得してくれた様子だった。優秀な彼だったので、その後のアクションプランは彼自身で設定してもらうことにした。繰り返しになるが、こちらから何か提供するよりも、自分自身でやってもらう方がモチベーションが上がるし、自身の学びにもなる。

本セッションで僕が得た最も大きな学びは、「相手をCareすること」である。僕はMohitと話す中で、彼が僕とのセッションから何か有益なものを得ようと真剣であることが分かり、僕もそれに真摯に立ち向かった。そしてその姿勢を彼も感じてくれ、セッションが上手くいったのだと思う。事実、最後の全体Mtgにて、Mohitは僕のことを「Experienced Coach」と評してくれた。(それが正しい描写かは置いておいて笑)

確かに、自分が尊敬している過去の上司達を思い浮かべると、彼らの能力や経験もそうなのだが、最も嬉しかったのは彼らが自分のことをCareしてくれているからだったなぁ、と思う。それを、今度は部下やチームメンバーに対してするということだ。


本投稿が少し長くなったので、3/4つ目のモジュールについては、次回へ回すこととする。




有名なタージマハールにて。天気も快晴で、絶好の写真日和だった。


タージマハールの直ぐ近くにある、Agra Fortにて。Red Sand Rockで作られた赤い建物は壮快で、個人的にはタージマハールよりこちらの方に感動した。


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